柿の加工は古くより研究されていたが,その加工法は乾燥胡露柿が主体であつた。胡露柿以外には殆んど研究されず,従つてその製品も販売されていない。此処数年柿栽培の増加と共に原料果実は豊富となり,胡露柿以外の加工も考えねばならない時代となつて来た。柿には桃,洋梨に殆んど見られないタンニンが含まれているので,その加工も他の物とはかなり異つて来る。当所ではこれらの点の解明に柿のシロップ漬罐詰の試作を行い,稍良好な成績を得たので報告する。