等級別に各々18点,計72点,広島県内産なたねの代表的と思われるサンプルを抽出して試験を行つた。諸性状と油分との間に何等かの有意性が存在するか否か調べ度いと思つて試験を行つたのであるが,この範囲内で知り得たことは推計学的検討を行つた結果,大略つぎのごとくである。 (1) 油分含有量の等級間における有意差は5%の危険率で有意。1等,2等の油分含有量については有意差は認められない。 (2) 油分含有量の地帯間,土壌間,品種間の有意差は認められない。 (3) 粒度については,各等級毎に,その分布状態が異なるのを認め得る。すなわち上位等級になるほど,大粒のものが多く含まれている傾向がある。 (4) 油分と灰分との相関関係については,油分と灰分(無機成分)との間には何等の相関も認められない。