本研究の目的は, 一般青年に見られる被害妄想的観念を自己関係づけとしてとらえて, 対人恐怖心性, 抑うつ, 登校拒否傾向との関連を検討することであった. 被調査者は高校生487名(男子257名, 女子225名, 不明5名)であった. 自己関係づけ尺度, 対人恐怖心性尺度, 抑うつ尺度 (Children’s Depression Inventory: CDI), 登校回避感情尺度, 登校拒否関連性格尺度からなる質問紙に回答を求めた. その結果, 一般高校生において妄想的観念は高頻度で体験されていることが明らかになった. 自己関係づけは, 対人恐怖心性および抑うつ感情と正の相関があった. 考察では, 自己関係づけと対人恐怖心性との概念の異同について検討した.