本研究では,2つの調査によって改訂版重要他者に対する再確認傾向尺度(以下,再確認傾向尺度)の信頼性と妥当性を検討した.研究1では,301名の学生を対象とした予備調査の結果をもとに大学生123名を対象に再確認傾向尺度,抑うつ,自尊心を含む質問紙に回答させた.その結果,再確認傾向尺度は,2つの因子(再確認願望,再確認行動)から構成されていること,比較的高い値の信頼性係数があることが示された.また,本尺度は抑うつ傾向と正の相関,自尊心と負の相関があることが示された.研究2では,大学生397名を対象に調査を行い,本尺度は他の学生サンプルでも同様の因子構造がみられること,不安,拒否回避欲求,他者からの評価の知覚とも関連があることがみいだされた.最後に,再確認傾向にもとづいた重要他者との相互作用が精神的健康に及ぼす影響について,今後の研究の方向性について述べた.