従来の研究は,ネット使用が孤独感などに悪影響を持つ可能性とソーシャルサポートなどにポジティブな効果を持つ可能性の両者を示してきた.しかし,これらは成人を対象としたものが中心で,子どもを対象とした研究は乏しかった.そこで,本研究では中学生298名を対象にパネル調査を行い,ネット使用が友人関係の孤独感とソーシャルサポートに与える影響について検討した.なお,ネット使用は,ツール別および使用目的別にそれぞれ検討を行った.その結果,中学生では,Eメールの使用が多いほど友人関係の孤独感が下がり,ネット使用が全体的に多いほどネット上やネット外の友人からのソーシャルサポートが増えるというポジティブな効果がみられた.特に,多くのツールや使用目的でネットを使用することが多いほど,ネット友人からのソーシャルサポートが増えていた.