本研究は,質問紙を用い,強調語が発言内容の欺瞞性認知に及ぼす影響について検討するものである.強調語を含む発言内容は,そうでない発言内容よりも欺瞞度が高い,と予測された.この点について検討するために,強調語を含む発言内容と強調語を含まない発言内容の2種類が,各々3つ構成された.質問紙の実施に先立ち,必要なサンプルサイズを算出するため,コンピュータプログラム“GPOWER”を用いた.研究参加者は202名の女子大学生であり,2条件のいずれかに割り当てられ,呈示された発言内容について欺瞞性の評定を7件法にて求められた.その結果,予測に反し,欺瞞性は強調語の影響を受けなかった.さらに,欺瞞性は,一般的信頼尺度と弱い負の相関が認められた.以上,顕著な結果が認められなかった原因などについて論じ,今後の展望を述べた.