多段階尺度評定において尺度の極端な段階を好んで選択するという反応スタイルである極端反応傾向(ERS)について,個人主義傾向や独自性欲求といった個人主義関連特性との関連を検討した.その結果,ERSと独自性欲求の下位特性である自由奔放との間に,低いながらも有意な正の相関が示された.さらに,過去の研究と同様,ERSと5因子性格検査(FFPQ)の遊戯性,特にその下位尺度である奔放性との間にも,低いが有意な正の相関が認められた.これらの結果から,開放性・遊戯性の個人主義傾向的側面とERSとが関連するという辻本(2003)の示唆を考察した.