本研究では,重要他者に対する再確認傾向が抑うつ,不安,自尊心の変化を説明しているのかを検討した。再確認傾向が抑うつと不安の増加,自尊心の低下を予測するという仮説を立てた。152名の大学生が再確認傾向,抑うつ,不安,自尊心,ネガティブライフイベントを測定する尺度を含む質問紙に2ヶ月あけて2度回答した。その結果,再確認傾向はネガティブライフイベントの経験の程度によらず抑うつの増加を説明していた。また,再確認傾向はネガティブライフイベントの経験の程度によらず不安の増加も説明していた。一方,再確認傾向は自尊心の変化を説明しないことも明らかとなった。よって,従来の抑うつ特殊性仮説とは異なる結果となった。