小学校高学年の児童を対象とした2年間の追跡調査データをもとに,彼らの学校での反社会的行動と自己志向性との間の影響関係について,家族に抱く信頼感を調整要因として含めた3変数間の相互影響性の観点から検討した。構造方程式モデリングによる交差遅延効果分析の結果,家族に抱く信頼感の高低にかかわらず,小学校高学年における学校での反社会的な行動経験の多さが,2年後の自己志向性の低下に影響することが明らかになった。