本研究では,小学生と中学生において,目標志向性が内発的興味を介して学業的援助要請およびピア・モデリングに影響するプロセスを検討することを目的とした。調査協力者は,小学生438名,中学生654名であった。多母集団同時分析による構造方程式モデリングの結果,小学生と中学生のいずれにおいても,熟達目標が内発的興味を介して依存的援助要請の低さに影響するプロセスが示された。小学生においては,熟達目標が内発的興味を部分的に介してピア・モデリングに影響するプロセスが示された。中学生においては,小学生よりも遂行回避目標とピア・モデリングとの関連が強かった。小学生と中学生の仲間との学習における目標志向性の役割について論じた。