本研究では,潜在的な対人不安を測定する潜在連合テスト(Implicit Association Test:IAT)を作成した。研究1では,55名の大学生および大学院生とその友人162名を対象に実験を行った。参加者の顕在的/潜在的不安と他者評定の特性不安/状態不安の関連から,対人不安IATの予測的妥当性が示された。研究2では,32名の大学生および大学院生を対象に実験を行い,シャイネスを測定する潜在連合テストと対人不安IATの相関関係を検討した。両者の相関係数は r =.46 ( p <.01)であり,対人不安IATの併存的妥当性が示された。研究3では,26名の大学生および大学院生を対象に,対人不安IATを1週間の間隔を空けて実施し,対人不安IATの再検査信頼性を検討した。2回のIAT間の相関係数は r =.76 ( p <.01)であり,十分な再検査信頼性が示された。一連の研究において,対人不安IATの妥当性,信頼性は十分であると判断された。