本研究では,Block & Kremen(1996)が作成したエゴ・レジリエンス尺度(ER89)の日本語版を作成し,その信頼性,妥当性の検討を行った。研究1では,ER89日本語版尺度を作成し,大学生520名に質問紙調査を実施した。主成分分析の結果,原版と同じ14項目1成分解が得られ,十分に高い内的整合性(α=.82)が確認された。研究2では,ER89日本語版尺度の妥当性の検討を行った。大学生261名(サンプル1)と大学生240名(サンプル2)に質問紙調査を実施し,他の概念(レジリエンス,精神的健康度)との関連から本尺度の併存的妥当性および構成概念妥当性が確認された。以上により,ER89の日本語版の信頼性と妥当性が明らかにされた。