本研究はイチゴの低温貯蔵中の品質変化に関するものである。半熟果と完熟果を-0.5℃のもとで30日間貯蔵した。試料はPEフィルム有孔包装 (開穴率1.9%), PEフィルム密封包装および無包装とした。 1) 重量減少率は半熟果および完熟果を無包装で貯蔵した場合, 大きな値を示した。 2) 半熟果および完熟果をPEフィルム密封包装で30日間貯蔵すると, 呼吸によって包装内の酸素は低濃度に, 二酸化炭素は高濃度になった。 3) 着色率は貯蔵期間の延長によって増加した。 4) 糖度は貯蔵期間15日間で大きく減少した。しかしその後は同じ値または増加した。 5) 官能試験の総合評価値から判断して, 低温度でフィルム包装を行うことによって鮮度保持期間は延長され, 半熟果の商品価値保持期間は無包装で17日間, 有孔包装で20日間, 密封包装で30日間であった。完熟果の場合は無包装で20日間, フィルム包装で約28日間であった。