パインアップルの貯蔵温度が揮発性成分の生成に及ぼす影響を調べるために, 貯蔵温度を10℃と30℃で行い, それぞれの条件下での揮発性成分の変化を検討した。 Tenaxを用いたヘッドスペース法による揮発性成分は果実全体を果皮, 冠芽の着いた状態で測定すると10数成分が検出された。主な成分はmethyl nhexanoate, methyl acetate. ethyl acetate等のエステル類とethyl alcoholであった。 貯蔵温度がパインアップルの揮発性成分の生成に大きく影響することが明らかとなった。10℃貯蔵では検出される成分量は非常に少なく, 貯蔵中もほとんど増加しないが30℃貯蔵では大部分の成分が増加した。また, 10℃貯蔵後に30℃貯蔵を行うと増加する成分が多いが増加するパターンは成分によって異なる。Methyl nhexanoateの場合は10℃貯蔵後に30℃貯蔵を行うと, 10℃貯蔵期間が長いものほど生成量は少なくなった。Methyl acetate, ethyl alcoholは10℃貯蔵期間が長いものほど30℃貯蔵時に急激な増加を示した。その他の成分は10℃貯蔵による影響は少なかった。