本研究は, グリーンチップ段階のバナナ果実の果肉切片の品質変化や生理的特性に対する果皮の影響を明らかにしたものである。 果皮の付いた果肉切片では, 切断面の褐変, 果肉が水浸状になり, 軟化することなどの変化は縦切り切片で最も顕著であった。輪切り切片におけるこれらの変化は, 切断面と維管束のなす角度が直角になるにつれて遅くなった。果肉のみの切片におけるこれらの変化も縦切り切片で最も顕著で, 0度切片で最も遅かった。 CO2排出量とC2H4生成量も果皮の有無に関わらず, 縦切り切片で最も多く, 切断角度が小さくなるに連れて少なくなった。 切片の切断形状が異なると生理活性や品質変化に差異が生じることに対しては, 果皮の影響が小さいことを明らかにした。