1. 清酒酵母に代へるにパン種酵母を使用し清酒の釀造を試みた。 2. パン種酵母使用方法は酒母を省略し初添に直ちにパン種1封度を加へ, 乳酸を添加して踊の酸量を普通品の踊のものと一致させた。 3. 初添の醗酵開始は遅延したから之に仲添をする迄の踊期間を10日間置き, 而も加温した, 從て初添は恰も速釀酒母に類するものとなつた. 4. 醪中泡の高さは低い方であつた. 5. 製域酒はアルコール19%をも保有する普通品でありたから, 通常低濃度酒精溶液に馴致された酵母も條件如何で相當多量に酒精を作る能力のあるものである事を知つた. 6. 製成酒の風味は一種バター様の香氣を示し上乗缺點無いものとは云はれなかつた.