1. 添麹仕込法に於ける麹使用量を蒸米の1割5分以下にし, ツキ破精式の麹となして吟釀酒を造つて見たが支障なく目的の成分を有する清酒とする事が出來た. 2.醪經過中一般法と異つた處は踊ボーメの低い事 (7.2度), 留後の醪の泡の甘味至つて少い事, 粕歩合の稍々多かつた事等であるが第一の事は添麹仕込法の特長とも云ふべき現象であつて, 麹量が少いからの結果では無く, 第二の事は醪初期の品温を急昇させる事無く糖化を進め醗酵を押へる様にして難なく經過させる事が出來た.最後の缺陥は麹使用量の不足許りで無く, ツキ破精式麹を使用した事, 品温經過が吟釀式低温であつた事も關係する處が多い様すである.