1.全國に於て比較的優良と認められ, 然も好まれる味噌の簡單な成分々析結果地方により成分の相違が認められ, 水分は最高63%最低48.4%で大部分52~54%, 總酸は1%内外が多く最高2.01%最低0.54%アミノ態窒素02~0.3%の間が多いが信州式の色の薄いものは0.13%位である糖分は大體6~8%と云う處で食鹽は12~13%の間が大部分であるか17%と云うものが點あつた。 2.全國的に見て赤味噌が多く, 次に中位の色のもの, 白いのが少ない傾向である。黒色のものは愛知, 三重方面丈けである。香氣としては從來の調熟した香が少なく, アルコール香を出し, 又醤油香を放つもの, 麹香が顯著なもの, 尚麹の老ねた芽胞子の着生したものを使用したのが可なりあるから出麹時期に注意せねばならない。 俐味に於ては苦い感じがする。從つて味の調和が足りず味が離れている點がある。可なり醤油味のするのが多いから麹の老なし方と水分の含有量に注意すること。雜味が強く上品でないもの, かび臭氣及其の味までするのが若干あつたのは工場の清潔に心懸けねばならない。