(1) 仕込直前に乳酸を添加することによつて, 米麹よりのα-アミラーゼの浸出は大いに抑制し得る。このことは, 乳酸水中に水麹を行つた場合に比して, 爾後の糖化に相当の影響をあたえる。 (2) 米麹のアミラーゼの如く, α-アミラーゼを多量に含むものは作用温度が低下すると, 酸によるα-アミラーゼの破壊が減少するため, 作用力が強化されるような結果を生ずる。しかしてpH3.6 (速釀酖モデル) とpH6.0 (山廃翫モデル) に於ける糖化を比較すると, 作用温度が低下するにつれ, 前者は後者に比して, 液化及び糖化が, 上記理由によつて急激に行われるようになる。