最も簡易と思われる密造濁酒に準じ, 仕込配合, 醗酵温度を変えて小仕込を行いアルコールの出方を主として調べた。その結果は, 1) 麹使用量の増加は, アルコールの生成を早め生成量も少し増加させる傾向を見せるが, 特に使用量の少い場合を除いてはアルコールの生成に大差を見せない。 2) 醗酵温度の差は勿論明かに, アルコールの生成速度に影響するが生成量には大なる差を与えない。 3) 汲水歩合による差は本小仕込の結果では,品温15℃内外の経過では, 最高ボーメ もろみ日数 メーター アルコール 10水の場合7~8 12日内外で (+) 3 15~16% 10水の場合7~8 12日内外で (+) 3 15~16% 30水48 (+) 8%内外 である。 4) アルコールの生成が1%を越えると認められたのは, 20~30水20℃以下の品温では少くも20時間以後 (3C) であつた。 5) 酸量は20~30水で滴定数3~4ccで低温では一層この値は少いと思われる (3A) 6) 醗酵終了後の残糖は大体0.1~0.2%で0.5%以上 (1A) 0.05%(3C) というものもあつた (この定量値に就いては別に報告する予定である)