秋田県産醤油46点について化学分析及び鑑評を実施しその結果について検討した。 1. 分析及び鑑評結果は上中並の等級に比例したが, 品質のむらは中級が最も少かつた。 2. 一般に糖分及び食塩に不足し総酸の過剰 (滴定にフェノールフタレンを用いたためか) なるものが多かつた。 3. 等級間の差については上中間に糖及び酸, 中並間に全窒素及びアミノ態窒素の含量に有意性が見られた。 4. 比重と各成分間の相関を求めた結果, 比重に最も関係の深い成分は全窒素, アミノ酸及び食塩であつた。 5. 光電比色計に依り色相測定の結果著しく深色的で藍及び赤鳶部多く黄部が少かつた。色の優れたものは赤鳶及び燈部多く黄部の少い傾向が見られた。 6. 鑑評結果は味及び色は大体に良かつたが香気は著しく劣つた。又鑑評結果と価格とが一致せず考慮の余地ある事を認めた。