1) ウィスキーの色の主要部分は波長430mμ であるが, 優良木材の浸出液の430mμ における-log T と500mμ における-log T の比, にコナラ, ミズナラ等の約3.0とアカカシ, ヤマグワ等の約2.3の2種類があり, 市販ウィスキーの色調の中にもこの2種類が存在する。 2) 浸出液のppを変えて木材片を投入するとpHが高くなるにつれて一般に着色が増加し, 色調にもかなりの変化が見られる。 3) 木材浸出物を含む液は時間が経つと一般に着色が増加するが, 人工着色剤では槌色が著しい。pHを変えると木材から浸出した着色物質は一般にHpが高くなると着色がより増加するが, カラミルやメラニン系の着色剤は激しく槌色する。 4) 紫外線照射下に置かれた木材浸出液では暗所のものに比らべ着色が増加する。人工着色剤では特に紫外線照射の場合槌色が著しい。 5) 以上の結果からウィスキー用に優良な木材としてクリ, コナラがあげられる。