各種糸状菌の酸素要求性を比較していわゆる栗香を造る好気的生育型の黄麹菌 (Asp. oryzae var saké) が強大であることを知り, この性質と清酒醸造との関係を実験的に考察して, 従来経験的にのみ知られて来項たいくつかの酒造上の現象に対し合理的な解釈を提供した。 終りに御懇篤なる御指導御鞭撻を賜つた東大坂口教授, 当所山田所長に深甚なる謝意を表する。又熱量計の使用について種々便宜をいただいた研究員漆間正夫氏に厚く御礼申上げる。