著者等は中間プラントを用い, 香味液の製造に用いる Asp.oryzae の液体培養を行つた。結果を要約すると, 1) 中間工業設備に於ては理研の液体麹に関する報告とよく一致する結果を得, 香味液製造に必要な酵素力価が得られることを再確認した。 2) Asp.oryzae o-p・2-4は好気的条件下でしかも半減衰の状態でよく糖化, 液化両酵素を生産することを知つた。 3) 糖化酵素はpHの上昇と共に増加し, 43~50時間目に最高に達し, アルカリ側になると減少する。液化酵素は殆んど影響されず, むしろ上昇する傾向を認めた。 4) 官能検査の結果は不快臭はなく所謂栗香を有し, 香味液の製造に使用山来るものを培養し得た。 終りに本研究に対し終始御懇篤なる御指導を賜つた坂口謹一郎先生, 並びに, 種々御助言をいただいた協和醸酵, 一刀部長に感謝の意を表する次第であります。