1) 昭和34年醸造試験所で行われた清酒品評会, 清酒特級認定審査において優良と認められたもの, 又明らかに腐造臭を認めたものの中から10点を選び, シリカゲルカラムクロマトグラフィにより, その有機酸組成, 特に酢酸と酒質との関係を調べた。 2) 明らかに腐造臭のある試料の酢酸の全有機酸に対する組成比は, 他の試料の2.5~10倍と著るしく多い。 3) 吟醸酒系統の試料の酢酸の全有機酸に対する組成比は最小である。 4) 軽い酸臭, 甘酸臭のある試料の酢酸の組成比は必ずしも多くない。