酒は土地と人と自然の巧みな調和の産物である. 北国に醸し出される酒は雪国の味を,南国に生れる酒は南の国の香りを……。この願いは故郷を失った酒の単なる郷愁ではない。酒の郷土の再発見こそ“郷土の酒”の生きる途であろう。