1.通風製麹の製麹条件を検討するために製麹温度・湿度・時間が麹品質におよぼす影響について調査した。 2.通風製麹においては時間と温度の規制は極めて容易で, 製麹温度は送風温度を調節することによって麹全体の品温を正確に規制することが可能であった。 3.湿度の規制も送風湿度の調節で行ったが, これは他の諸条件によって大きく変化するものであるから正確に規制することは困難であった。 4.これらの製麹条件が麹品質におよぼす影響は普通麹の場合と大差なく, 通風によって麹品質に大きな変化を与えるとは考えられない。 5.出麹の S -アミラーゼと製麹時間, アミノ酸度と製麹温度の間には5%で有意差が認められた。前者は長時間の方が大となり, 後者は低温の方が増加した。 6.有意ではないがα-アミラーゼは低湿・高温・長時間で, 酸度は高湿・低温で, アミノ酸度は低湿でそれぞれ増加する傾向を示した。