1.清酒中に溶出して来ている酵素, アミラーゼはアルコール18.5%の清酒においては65℃ 30秒で破壊された。酵素液による試験では15%と20%のアルコールの存在において70℃ 30秒間で破壊された。従って酵素破壊を目的とするならば70℃ 30秒間の火入が必要である。 2.清酒酵母は酵素液による試験では65℃30秒間, 清酒による試験では60℃30秒で死滅した。 3.火落菌はアルコール13%に加水した清酒による試験では70℃30秒間で死滅した。 以上の結果から瞬間殺菌の温度は70℃30秒間で完全にその目的を果す事が出来る。またビール瓶に綿栓を施して70℃ 60秒間火入れすると, 0.9%のアルコール欠減があったが, 工業的には2個の蛇管を連結して使用し, 前半を70℃ の温水槽に, 後半を冷却水をはった槽中に浸し, この中を所定の流速で流れるように生酒を通して貯蔵する。または最近考案されている熱交換器の使用が可能である。 これにより清酒貯蔵中の火落, 熟成温度, 着色やアルコールの蒸散などが防止出来ると考えられる。