1. 道産米2品種の蒸米放冷条件による蒸米の吸水能力及び被溶解糖化性の変化を対照の本州産米2品種と比較検討した。 2. 蒸留水中での蒸米の吸水能力は品種間にかなりの差異を認めた。道産米の紅光は対照の山田錦と同じ程度の吸水能力を示し, 秋田県産の初錦種より高い成績を示した。 3. 蒸米放冷条件による吸水能力の変化は, 4品種とも放冷経過時間とともに吸水能力が低下する。その低減度は道産米と本州産米との間には明らかな差異は認められない。 4. 蒸米の被溶解, 糖化性は各放冷時間区分とも品種間にかなりの差異を認めたが, 道産米の紅光は対照の山田錦にはおよばないまでも秋田県産の初錦種より優れた成績を示した。 5. 蒸米放冷条件による蒸米の被溶解, 糖化性の変化は, 実験Iの吸水試験と同様に放冷経過時間とともに低下する。その低減度は4品種間の比較では道産米と本州産米との間には明らかな差は認められない。 6. 溶出T-Nも蒸米放冷経過時間とともに低下する。その溶出T-Nと白米蛋白質含量との間には関連性は認められない。