山廃及び速醸酒母より分画遠心法によって酵母を分離し, 両酒母のアミノ酸量の差に着目して, 窒素源にアミノ酸混合物であるカザミノ酸を用いた培地とアミノ酸を全く含まない硫安培地で, 生育試験と酸及びアルゴール耐性試験を行ない, 完全培地としての麹汁におけるものと対比した。しかし両酒母に生育した酵母間の差を明らかにすることができなかった。 また, 両酒母をそれぞれ単独に使用した醪中期における酵母の状態を調査する目的で, 醪より分離した酵母についても同様な試験を行なったが, その差を認めることができなかった。 更に, 協会7号酵母をカザミノ酸培地と硫安培地に生育させて, アミノ酸の有無が二次培養に及ぼす影響を試験したが, その差は明瞭でなかった。