1) 清酒もろみの溶解について, もろみ系の溶解比, 比粘度や, 液相部の溶解成分を各区分糊精の分別, コロイド滴定及びアルコール混濁度の測定によって検討を行なった。 2) 固形物の溶解は溶解比, 液相部成分はアルコール混濁度の測定によることが適当である。 3) もろみ初期の溶解はその経過に影響するところ大であって, その粘稠度は糖化, 醸酵に関与するほとんどの要因の綜合的な変化現象である。 4) 澱粉コロイドは酵母の醗酵に著しく影響し, とくにその重合度の差が酵母細胞の耐性, 死化に特異な効果をもっと考えられる。 終りに臨み, 終始御指導を賜わりまた本報の発表を許可された本試験場の坂井正治場長に深謝致します。