会津若松市内の酒造場で使用している井戸水の細菌学的調査を行ない, 清酒醸造の観点から酒母中で増殖可能と考えられる硝酸還元菌の分布を調査したが, Bllg 10度麹汁で接種量を約104/mlにした場合10℃5日間の培養で硝酸還元能を示したのは113株中25株であった。 なお, 7工場の山廃酒母のうち亜硝酸反応を示している初期のものより, B培地を用いて分離した11株の菌は, いずれも上記の培養条件で強い硝酸還元能を示した。 また, 出麹より分離した2種の硝酸還元性細菌はいずれも10℃ では増殖しなかった。 終りに本研究に際して試料を提供された会津若松市内の各酒造場, および試料の採取に協力された当試験場川井良伸研究員に深謝すると共に, 低温恒温器購入について御助力戴いた福島県酒造組合連合会および種々御配慮戴いた末広酒造株式会社林光二技師に感謝します。