1.前報までに引続き道産米中より酒造に利用できる品種を選出するため, 今回は昭和36年産道産米9品種の玄米及び精米経過中の物理的性状変化について, 対照の本州米と比較, 検討を行なった。 2.物理的性状は品種間にかなりの差異を認めたが, 対照の本州米中, 山田錦, 改良信交と比較すると, 心白粒%及び精米経過中の胴割粒の増加曲線において明らかに異なることを認めたG心白粒の多い山田錦, 改良信交は精米による胴割粒の増加率は高い。普通粒の多い品種は精米中の胴割粒の増加は著しく少ない。 3.同一条件, 同一精米時間における精白速度は前年度試料と同様に道産米は本州米に比較して一般的に速やかな傾向がみられた。ただし, 紅光, 巴まさり種は本州米程度の精白速度であった。 終りに臨み, 試料の入手, 調製について多大の便宜と御配慮を載いた農林省北海道農業試験場作物第一研究室の各位及び試料の提供を載いた北海道立農業試験場, 渡島空知, 上川の各支場並びに広島, 兵庫, 秋田の各県立農業試験場に対し衷心より謝意を表します。また, 終始御指導を載いた当試験場, 長谷川食品醗酵部長, 試料の選定に当り有益な助言を載いた北海道農業試験場岡部技官, 試験に協力載いた当試験場篠田技師に厚く御礼申上げます。