健全清酒および軽度の変敗清酒中の有機酸について, 試作した自動分析装置にシリカゲル・カラム・クロマトグラフィーを併用して各有機酸の分離定量を行なった結果, サリチル酸, 酢酸, ピルビン酸, フマール酸, ギ酸, 乳酸重合物, α-ケトグルタール酸, コハク酸, 乳酸, マロン酸, ピロリドンカルボン酸, グライコール酸, シユウ酸, リンゴ酸, クエン酸を確認定量し, ほかに低級脂肪酸2種, 未確認の酸1種を検出した。 定量結果より, 変敗酒は健全酒に比し, クエン酸, リンゴ酸が少なく, 酢酸等の脂肪酸が増加し, コハク酸は少なく乳酸が多い傾向を認めた。