1.食塩環境下に生存する酵母の分離に当っては, 操作途次におけるOsmotic ShockにもとずくViable lossはきわめて大きく生菌数に影響する。すなわち, 平板培養法の際の稀釈水, 培地の食塩濃度で無塩ないし低食塩の条件は少数の生薗しか得られない。 2.みそ, しょう油酵母用分離培地としては麹汁よりも生醤油, みその成分を族礎としたTN 0.2%程度の培地が適している。 3.稀釈水食塩濃度10%, MG (食塩10%) 培地におけるプレートが最高生菌数が得られた。白みそ等よりの低食塩環境下, または麹よりの酵母分離については食塩濃度を下げる必要がある。 4.かびとくに麹菌の併発阻止の目的には, プロヒオン酸ソーダ0.2%添加 (pH4.6) のMG培地 (麹汁培地も) が有効であるが, 酵母数の若干の低下はさけられない。 5.併発細菌を阻止する必要のある場合には, さらにアクロマイシン50γ/mlの加用が有効である。 おわりにのぞみ, 酵母菌株の分譲をいただいた野田産研大西博氏ならびに終始御鞭燵を賜わった鳥山所長に深謝する。