酒造好適米といわれる朝日品種を玄米貯蔵した古米, 一般に地米といわれる埼玉県産雑米を玄米貯蔵した古米, およびその新米を80%精米して貯蔵した古米, および埼玉県産雑米の新米の4種類の米を原料とし, 使用直前にすべて精米歩合75%に精米して同時に清酒の醸造試験を行ない, 吸水, 蒸し, 出麹の各歩合, 麹の酵素力と成分, 醪経過および製成酒の酒質などを比較した。その結果雑米を玄米貯蔵したものがその他のものに較らべて特にすべての歩合が大きく, 麹の酵素力も強く, 色が濃く, 醪が急進するが, 雑米を白米で貯蔵したものではこのような性質が緩和されることを知った。