昭和37酒造年度に採取した滴定酸度4.5ml以上の多酸清酒もろみから分離した乳酸菌の諸性質を検討した。得られた17株の乳酸菌のうち, ヘテロ発酵型の菌は4株 ( Leuc. mesenteroides ) にすぎなかった。ホモ発酵型の菌は L. leichimannii が7株 L. casei 及び L. plantarum がそれぞれ3株であった。また, これ等のホモ発酵型の菌は1株を除きいずれも乳糖の発酵性を有し.比較的短期間で牛乳を凝固する。 これ等の結果を第3報の結果と比較し, ホモ発酵型の菌が多いこと, 左旋性乳酸を作る菌が多いこと, ほとんどが牛乳凝固性を有すること等が多酸清酒もろみ中の乳酸菌に特異的な性質であると考えた。 終りに当り.試料の採取に御協力を戴きました各国税局鑑定官室, 各県の醸造指導機関の方々及び研究助成金を戴きました日本酒造組合中央会に深く感謝致します。