仙台味噌7種の有機酸をシリカゲルを用いた分配クロマトグラフイーによって分析を行なった結果, エーテル可溶性有機酸として, カプロン酸, 酪酸, プロピオン酸, レヴュリン酸, 酢酸, ピルビン酸, 蟻酸, α-ケトグルタル酸, コハク酸, 乳酸, マロン酸, ピログルタミン酸。グライコール酸, リンゴ酸, クエン酸の存在が認められた。 このような有機酸の中で比較的多量に含まれるのは, 乳酸 (20~30%), クエン酸 (10~30%), コハク酸 (10~18%6), ピログルタミン酸 (6~21%6), リンゴ酸 (3~15傷), 他に酢酸, プロピオン酸, ピルビン酸などである。 全有機酸量は試料1009当り100~500mgの範囲にあり, 熟成度の高いもの程酸量大で, 又同程度熟成の味噌において熟成口数の長い天然味噌の方が酸猛大であった。これらのことは主要有機酸である乳酸, コハク酸量についても同様の傾向が見られた。