1酒造場の全酒母についてTTC染色法により, 野生清酒酵母の汚染率を調べた所0.5~38%に亘っていた。次に1酒母から数個の汚染酵母のコロニーをとり全部で93株の野生清酒酵母を集め, 巨大集落の形状によってこれを4群15 typeに類別した。この中優位に活動したものは4 typeであり, 野生清酒酵母相互間にも遷移が認められた。酒母の汚染率とこの遷移の間には一定の関係が存在しており, 汚染率の高低は酒母にもちこまれる汚染酵母の量よりも, むしろ質によって決定されるもののようである。