1.酵母仕込における仕込条件と醪経遇および上槽酒成分の関係を知るために昭和39BYに実施した酵母仕込63 (23分界) の経過を推計学的に検討し, あわせて酒母仕込の場合と比較した。 2.麹使用歩合, 吸水歩合, 添温度, 踊リボーメおよび酵母量を要因とし, これらが日本酒度, アルコール濃度などの特性値に及ぼす影響を求めるために, まずすべての要因および特性値間の単相関係数を算出し, さらに各特性値に関する重回帰式を求めた。 3.本研究の対象とした仕込はすべて一定の条件のもとに仕込んだものであるから要因の変動が少さく, そのため特性値との間にあまり明確な相関々係が認められなかった。しかし各特性値に関する重回帰式は昭和40BYにおける結果ともよく一致し, ほとんどすべての仕込に適用しうるものと考えられる。