多くの食品工業の分野で近代化が促進され, 品質の標準化がすすめられている今日, このことが逆に品質の良い意味でのバラエテーを失なわせているという不満を述べる人も多い。こうした情勢の中で, 味噌だけは依然としてその原料や製造法の差から生れる地方色を豊かに残している。しかしながら, その豊かな種類といっても, それが種々雑多なままで存在することは味噌業界の進歩の点から好ましくない。そこで筆者は, 全国味噌品評会の資料をもとに, 味噌の型の合理的な分類を試み, その特性について考察した。大いに参考になることと思う。