麹菌株には澱粉分解型のものと蛋白分解型のものがあり, 用途に応じて使いわけられている。そういう酵素生産の特性を明らかに示すような人工培養液の組成について研究を行なった。その結果によると無機の窒素源と有機のそれを合わせて窒素源の濃度を高くしたものと, 燐酸塩の濃度を高くした培養液を用いると, 菌株の性質 (アミラーゼ型, プロテイナーゼ型) による酵素生産の力価が明らかに区別できる。こういう菌株の型をわけることができるような培養液の組成をここに提示している。