異なった麹菌株を混合培養したときに, その酵素の生産がどのような様態を呈するかについて, アミラーゼとプロティナーゼの力価の変動のデータを示している。 分類学上近縁種と考えられる菌株を混合したときには, その菌株が有している酵素生産能は, 混合した比率の傾向においてあらわれるもので, 混合培養ということによって, 全体の酵素量が著しく高くなったり (相乗的作用) することがない。すなわち混合した菌株に特有な酵素生産能が, 菌株芽胞子の混合比率に応じて相加的に全体としてあらわれるという見解を提示している。