南九州地区の24酒造場についてしょうちゅうこうじの製きく条件ならびに酵素力価その他色度, 水分, 酸度デンプン消費量などを調査した。 1. 製きく条件の調査結果から, 機械こうじは蓋こうじに比べて低温・短時間製きくであることを知った。 2. 製造方法によって, 蓋こうじ法と機械こうじ法に区分し, その両者について比較した結果, 総合糖化力ならびにα-アミラーゼ力が1%の有意差で機械こうじの方が高いことを見出した。 3. さらに, 上記のように, 蓋こうじ法と機械こうじ法に区分したものについて, 成分相互間の相関を調べ, 両者を比較した結果, 多くはほぼ等しい数値を示したが, 色度一酸性プロテアーゼ, 糖化カー酸性プロテアーゼの関係では, 相関係数が異常に異なり正・負の関係にあることを知った。 4. これらの原因は, 通風の有無によるばかりでなく, 主に品温管理の相違, 即ち, 製きく前半での品温経過が高く, 後半が低いという特異的な製きく環境での両者の温度差によるものと判断される。