酒造技術の大半は経験論的に導き出されたものが多く, それはそれなりに合理性を持っている。 筆者は物理化学的な面から酒母の窒素生成のメカニズムをとらえようと試み, ここに一つの成果が得られた。 もちろん, これですべてが解決されたわけではないが, 微生物挙的, 酵素学的な追究と相侯って, 総合的な解明が得られるのも, そう遠くはないであろう。