麹をH2O2処理することにより麹の褐変を防止することができることを確かめたので, これにより清酒の醸造試験を行ない黒粕の生成を防止することが出来るか否かを検討した。 結果は, 麹をH2O2処理することにより処理液 (仕込水の一部に使用) 中に痕跡のH2O2の存在も認められないがもろみ醸酵が弱くなり, 酒粕は黒粕にならないが, もろみ管理上は好ましくないことを知った。 なお, 本実験においてH2O2処理をせずに特殊の麹菌を用いて対照仕込を行なった清酒が全く火落しないことを見出した。