清酒は活性炭と長時間接触させると色戻りするが, この色戻りした清酒はEDTA添加後60℃, 30分間加温することにより著しく脱色された。EDTAによる清酒の脱色量は清酒中の鉄含量に比例し, また清酒中の鉄含量から計算したferrichrysin含量に相当する清酒の着色量とほぼ一致した。 これらの結果から, 活性炭による清酒の色戻りは, 活性炭から混入した鉄が, 清酒中のdeferriferrichrysinとその類似物質に捕促されることによると推定した。