(1) 準内地米 (加州米) を麹にして仕込むことで製成酒の外米臭を少なくすることができるか, 前回は準内地米使用歩合が17.5%だったので完全に外米臭が感じられないとは言い切れなかった。 (2) 今回は外米臭の発生が結局その使用歩合によって異なるものであろうという前提に立って, 加州米を対総米5%使用し, 麹にして仕込んだところ, 完全に外米臭を感じないし風味の点について劣らない清酒を醸造することが出来た。因みに昭和41酒造年度の外米使用歩合 (全国平均) は18%である。 (3) この試験の対照として内地米を麹にしたものを仕込んだが, その製成酒が貯蔵中に著しく色度を増して酒質が劣化した。よって貯蔵中の鉄およびフェリクリシン量の変化を調べた結果, この酒質の劣下が貯蔵中の鉄の混入に由るものであることを知った。