近年急増しつつある造石高に対して, 狭隘になりつつある製造場が全国的にかなり多く, 早急に増新築をせまられている。しかし, 長い目で見た時, 原料から製品に至る近代化・合理化された四季醸造庫の建設が, 経済・労務両面から非常に有利であることがわかっていても, 最近の販売競争の激化は経済的な理由でこのような膨大な設備投資を許さないのが現状である。当工場は綿密な長期計画のもとに, まず第一次としてその最大の隆路である酒造庫だけを新築した。さらに当工場が過去数度にわたって受けた地震・水害に対する経験が生かされている点も注目に値する。