清酒実地醸造で可能な殺菌, 消毒を行ない, そのうえで酵母の種類を異にした場合どのようになるかについて検討し以下の結果を得た。 1) 協会7号酵母添加の場合酒母, 酵のボーメの切れがよく, NP 26 -酵母添加の方は品温15℃ 以下にすると急激に発酵が弱くなった。 2) 膠末期の状ぼうは協会7号酵母使用のものは “みぶた” となり, NP26-酵母使用の方は “薄皮蓋” となった。 3) 生酸性は協会7号酵母添加の方がTTC染色性ピンクを呈するNP 26 -酵母添加のものより大となった。 4) 生成清酒の色は酵母によって相違するようである。 5) 協会7号酵母, NP26-酵母混合酵では, 前半に7号酵母の占有率増加を見たが, 後半はNP26-酵母が優位を占め, 酸を除く他の成分経過, 状ぼうは占有率の高い酵母に支配されるように思えた。